初めての給与明細を見て、「思っていたより少ない」と感じた経験はないでしょうか。

求人票に書かれていた年収と実際に振り込まれる金額、この2つの差がどこから生まれているのか。

この記事では、給料から何がどういう割合で引かれているのか、その全体像を表を用いて分かりやすく解説します。

┃額面とは?手取りとの違い

alt="額面と手取りの違いについて”

「額面(がくめん)」とは、基本給に残業代や通勤手当、住宅手当などの各種手当を合算した、会社が支払う給与の総額のことです。

求人票や内定通知で提示される「年収◯◯万円」は、通常この額面を指しています。

転職活動の面接で年収を聞かれたときも、答えるのは額面の金額です。

一方「手取り」とは、額面から税金や社会保険料などを差し引いたあと、実際に自分の口座に振り込まれる金額のことです。

一般的に手取りは額面のおよそ75〜80%が目安とされますが、扶養家族の有無や加入する健康保険組合によって多少の違いがあります。

┃給与明細は3つの区分でできている

額面と手取りの違いを理解するうえで手がかりになるのが、給与明細の構成です。

給与明細は、大きく「勤怠」「支給」「控除」という3つの区分に分かれています。

区分内容
勤怠出勤日数、労働時間、残業時間、欠勤・遅刻・早退の記録
支給基本給、残業手当、各種手当、通勤手当など。この合計が「額面」
控除社会保険料や税金など、天引きされる金額。差し引いた残りが「手取り」

「勤怠」欄でその月にどれだけ働いたかが記録され、それに応じて「支給」欄の金額が決まります。

そして「支給」から「控除」を引いた金額が、いわゆる差引支給額、つまり手取りです。

給与明細を受け取ったら、まずはこの3つの区分がどこにあるかを確認してみてください。

┃社会保険料と税金、割合以外の違いは?

給料から引かれているのは社会保険料と税金の2種類です。

割合だけでなく、この2つは性質もまったく異なります。

区分項目性質
社会保険料健康保険料将来の医療・年金給付や失業時の保障につながる「保険料」。納めた分がいずれ自分に還元される
介護保険料(40歳以上)
厚生年金保険料
雇用保険料
税金所得税公共サービスの財源となる「税金」。直接的な見返りはない
住民税

「天引きされて損をしている」という感覚は自然なものですが、その中身の半分は、将来の自分に返ってくる保険料だという視点を持つと、給与明細の見え方が少し変わってきます。

┃所得税と住民税、割合の違いは?

alt="所得税と住民税の割合の違いについて”

税金についてもう少しだけ踏み込むと、所得税と住民税では割合の決まり方が異なります。

所得税は「稼ぐほど税率が上がる」累進課税で、所得に応じて5%から45%まで段階的に上がっていきます。

一方で住民税は、所得の多い少ないにかかわらずほぼ一律10%(均等割と呼ばれる定額部分を除く)です。

また、所得税がその年の所得に対して計算されるのに対し、住民税は前年の所得をもとに計算されるという時差があります。

この時差があるため、新社会人の場合、入社1年目は住民税が発生せず、2年目の6月から急に天引きが始まることがあります。

「急に手取りが減った」と感じたら、この仕組みが理由かもしれません。

┃年収別・税金や社会保険料の割合の目安

年収帯によって、額面に占める手取りの割合(=税金と社会保険料の割合の裏返し)がどう変わるのかを見てみましょう。

額面年収手取りの目安手取り率
300万円約240万円約80%
500万円約390万円約78%
700万円約530万円約76%
1,000万円約730万円約73%
1,500万円約1,065万円約71%

数字はあくまで独身・扶養なしの概算ですが、年収が上がるほど手取り率が下がっていく傾向が見て取れます。

これは、所得税の累進課税に加えて社会保険料の負担割合が中間層で相対的に重くなる一方、高年収層になるほど所得税の累進性がより強く効いてくるためです。

┃給料から引かれる税金・社会保険料の割合【一覧表】

給料の「控除」欄で天引きされているのは、主に6つの項目です。

それぞれどれくらいの割合で引かれているのか、一覧表で確認してみましょう。

区分項目割合の目安(本人負担分)
社会保険料健康保険料標準報酬月額の約4.9%
介護保険料(40〜64歳)標準報酬月額の約0.81%
厚生年金保険料標準報酬月額の9.15%
雇用保険料総支給額の0.6%(※農林水産・清酒製造・建設業の場合は0.7%)
税金所得税課税所得に応じて5〜45%(累進課税)
住民税課税所得の10%+均等割 約5,000円

※健康保険料は加入する組合や都道府県によって異なります。

┃よくある質問

Q.給料からはどんな税金・社会保険料が、どれくらいの割合で引かれますか?

主なものは健康保険料(標準報酬月額の約4.9%)、厚生年金保険料(同9.15%)、雇用保険料(総支給額の0.5%)、所得税(累進課税で5〜45%)、住民税(課税所得の10%+均等割)です。

Q.手取りは額面の何パーセントくらいになりますか?

一般的には額面の75〜80%程度が目安です。

年収が上がるほど所得税の負担が重くなるため、この割合は少しずつ下がっていきます。

Q.面接や履歴書で聞かれる「年収」は額面ですか、手取りですか?

額面です。企業から年収を聞かれた場合は、控除前の総支給額(額面)で答えるのが一般的です。

Q.給与から引かれているものの内訳はどこで確認できますか?

毎月受け取る給与明細の「控除」欄で確認できます。

社会保険料と税金がそれぞれ項目ごとに記載されています。

Q.入社1年目と2年目で手取りが変わるのはなぜですか?

住民税が前年の所得をもとに計算されるためです。

入社1年目は前年の所得がないため住民税が発生せず、2年目の6月から天引きが始まります。

┃まとめ

給料から天引きされる税金や社会保険料は、手取り金額や将来の備えに関わる大切な仕組みです。

給与明細の「控除」欄を定期的に確認することで、自分のお金がどのように活用されているかを正確に把握できます。

入社2年目からの住民税天引きといった手取りの変化や仕組みを正しく理解し、計画的なお金の管理や将来のライフプラン作成に役立てていきましょう。

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