
派遣社員でも、失業保険を受給することは可能です。
週20時間以上かつ31日以上の雇用見込みがあり、離職前2年間に12か月以上(会社都合の場合は1年間に6か月以上)の加入期間があることが条件となります。
ただし、契約満了だからといって必ず会社都合になるわけではなく、更新の意思や状況によって扱いが変わる点には注意が必要です。
この記事では、制度の仕組みや受給条件、大まかな給付金額の計算方法などを詳しく解説していきます。
┃派遣社員も雇用保険に加入していれば対象になる
失業保険は、正式には雇用保険の「基本手当」と呼ばれる制度です。
再就職を目指す人が、生活の不安を抱えずに求職活動に専念できるよう支給されます。
派遣社員であっても、週の所定労働時間が20時間以上かつ31日以上の雇用見込みがあれば、原則として雇用保険の加入対象です。
給与明細に雇用保険料の控除があれば、加入していると考えてよいでしょう。
┃受給するための条件
基本手当を受給するには、離職日前2年間に通算12か月以上の被保険者期間があることが原則です。
ただし、倒産や解雇などの会社都合離職、あるいは一定条件を満たす雇い止めの場合には、離職日前1年間に6か月以上の加入で受給できる特例があります。
また、働く意思と能力があることも重要です。
病気や出産などですぐに働けない場合は、原則として支給対象外となります(受給期間の延長制度はあります)。
┃派遣契約満了は会社都合になるのか?

契約期間を満了しただけで自動的に会社都合になることはありません。
更新を希望していたにもかかわらず派遣元から次の仕事の紹介がなかった場合は、特定理由離職として扱われる可能性があります。
一方で、自ら更新を希望しなかった場合は、原則として自己都合離職になります。
つまり、契約満了よりも「更新の意思」と「紹介の有無」が判断材料になります。
┃どのくらいの期間もらえる?
給付日数は、離職理由と加入期間、年齢によって異なります。
自己都合離職の場合は原則90日から150日程度です。
会社都合や特定理由離職に該当する場合は、最大330日まで延びることがあります。
会社都合かどうかで、受給期間には大きな差が出るのが特徴です。
いつから支給される?
会社都合離職の場合は7日間の待期期間を経て支給されます。
自己都合退職の場合は、7日間に加えて2か月1か月の給付制限期間が設けられています。
※2025年4月の改正により、2025年4月1日以降の退職では給付制限期間が1か月になりました。
┃いくらもらえるのか?

基本手当日額は、離職前6か月間の賃金総額をもとに計算されます。
おおまかな計算式は(直近6か月の賃金総額 ÷ 180)× 給付率(50〜80%)となり、年齢に応じた上限額も設定されています。
たとえば月収20万円・給付率50%であれば、日額は約3千円(月額 約8.4万円)になります。
(120万 ÷ 180)× 0.5(50%)= 3,333
ただし、正確な金額はハローワークで個別に計算されます。
┃失業保険をもらいながら働ける?
短時間のアルバイトなどは可能ですが、収入や労働時間に応じて減額や不支給となることがあります。
働いた事実は必ず申告が必要です。
申告せずに受給すると不正受給となり、返還や追加徴収の対象になるため注意しましょう。
手続きの流れ
離職後に派遣元から離職票を受け取り、ハローワークで求職申込みを行います。
受給資格が決定すると説明会に参加し、その後は4週間ごとに失業認定を受けながら給付を受けます。
┃よくある質問(FAQ)
Q1. 派遣社員でも失業保険は必ずもらえますか?
必ずもらえるわけではありません。
雇用保険に加入しており、離職前2年間に通算12か月以上の被保険者期間があることが必要です。
会社都合や一定条件の雇い止めであれば、1年間に6か月以上の加入で受給できる特例があります。
Q2. 契約満了は会社都合になりますか?
自動的に会社都合にはなりません。
更新を希望していたにもかかわらず派遣元から次の仕事の紹介がなかった場合は「特定理由離職」となる可能性があります。
一方、自ら更新を希望しなかった場合は原則として自己都合離職になります。
Q3. 契約更新を断ったら必ず自己都合ですか?
基本的には自己都合となります。
ただし、健康上の理由や家庭の事情など、やむを得ない正当な理由がある場合は「特定理由離職」として扱われる可能性があります。
最終判断はハローワークが行います。
Q4. 失業保険はいくらもらえますか?
基本手当日額は、離職前6か月の賃金総額を180で割った金額に給付率(約50〜80%)を掛けて算出します。
年齢ごとに上限額が定められており、正確な金額はハローワークで個別に計算されます。
Q5. いつから支給されますか?
申請後、まず7日間の待期期間があります。
自己都合退職の場合は、さらに1か月の給付制限があります。
会社都合や特定理由離職の場合は給付制限はありません。
Q6. 失業保険をもらいながらアルバイトはできますか?
短時間・短期間のアルバイトは可能ですが、収入や労働時間によって減額や不支給になることがあります。
働いた事実は必ず申告が必要で、未申告は不正受給となります。
Q7. 複数の派遣会社で働いた期間は合算できますか?
雇用保険の被保険者期間として条件を満たしていれば通算可能です。
離職前2年間(会社都合は1年間)での通算期間が受給要件を満たしているかがポイントになります。
Q8. 離職票の離職理由に納得できない場合はどうすればよいですか?
まずは派遣元に確認し、それでも解決しない場合はハローワークへ相談します。
最終的な離職理由の認定権限はハローワークにあります。
更新希望の有無や紹介状況などの事実関係が判断材料になります。
┃まとめ
派遣社員でも、条件を満たしていれば失業保険は受給できます。
ただし、契約満了の扱いや更新の意思表示によって結果が変わるため、自己判断は避けるべきです。
制度を正しく理解し、疑問があれば早めにハローワークへ相談することが損をしないための最善策といえるでしょう。
